クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

紫外線が染料に作用することにより生じる変色は、クリーニング後の保管において発生することが多い現象です。

今回は、クリーニングによって変色が顕在化した事例を紹介します。

品名:セーター

素材: アクリル60%、レーヨン40%

取扱表示: 手洗い30℃以下、ドライ石油

処理方法: 石油系溶剤によるドライクリーニング

■ 衣類の状態

婦人用セーター後ろ側の肩から袖や身頃にかけて、放射状に赤く変色している。

仕上げ段階で変色に気づきお客様に伝えるが、クリーニングに出す前は変色していなかったとお申し出があったもの。

■ 原因

クリーニングで汚れが除去されたことで、紫外線による変色が顕在化したもの。

変色が放射状であることから、ハンガーなどに吊るした状態で太陽光や蛍光灯に含まれる紫外線の作用を受けて染料が分解し、変色した可能性が推測される。

繊維製品に使用されている染料は、光(主に紫外線)を吸収すると、光によるエネルギーで染料分子が分解する。

また、光のエネルギーが周囲の酸素分子を活性化させ、それが染料を分解することもある。

これらが原因となって、変色が生じる。

■ 紫外線の特徴

紫外線による変色は、光がさえぎられて影になる部分は変色しない。

変色している部分としていない部分の境目が明瞭で、直線的などの特徴がある。

■ 事故の防止対策

紫外線による色の変化は、利用者の保管中などに生じている可能性が高い。

しかし、利用者はこうした現象を理解していないために、原因がクリーニング処理にあるものと思い込み、結果的にクリーニング店に苦情を持ち込むものと考えられる。

特に、長期保管の可能性がある品物の返却時には、直射日光や蛍光灯の光などができるだけ当たらないようにすることなどの、アドバイスが利用者への啓発になる。

濃色品は変化が目立ちやすく、クリーニングによって汚れが除去されることにより、変化が明瞭になることがあるため、受付及び洗浄前のチェックが重要になる。

※[クリーニングニュース]より引用

受付時の検品において、濃色品は紫外線による変色に注意が必要です。

また、消費者に、仕上がり品の確認を引渡し1週間以内にして頂くよう啓蒙することも大切です。

弊社では保管コースもありますが、保管庫は暗室となっておりますので、ご安心下さい。

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