広島で即日仕上の布団クリーニングができる『クリーニング大野屋』の政木です。

汗と紫外線が複合的に作用することで染料が分解され、変色が生じることがあります。

水洗いに対応した衣類や、ドライマークの衣類が洗えるとされる家庭用洗剤などが普及している中で、特にこれからの季節、プロのクリーニングとして可能な限り汗を除去することが望まれる事例を紹介します。

品名:ズボン

素材:綿79%、ポリエステル21%

取扱い絵表示:ドライマーク

処理方法:石油系ドライクリーニング、タンブル乾燥60℃・30分、ウールプレス仕上げ

■ 衣類の状態

グレーのズボンのポケット口、ズボンの両側の前後大腿部を中心に赤っぽく変色している。

変色は生地表面が主体で、ポケットの内側など光の当たりにくい部分には生じていない。

■ 原因

着用中に付着した汗の成分がドライクリーニングだけでは除去されずに徐々に蓄積し、太陽光中の紫外線が作用したために染料が分解して変色したもの。

変色部分には、塩分やアンモニア、タンパク質など汗に含まれる成分が多量に残留していることが確認できる。

気温が上がり陽射しが強い夏場は、衣類に付着した汗から水分だけが蒸発し、塩分やアンモニア、タンパク質が残留、蓄積することが繰り返されるためと考えられる。

■ 汗の種類・成分

汗には、環境気温が高い時に出る体温調整のための温熱性発汗と、精神緊張時に手のひら・足裏などに生じる精神性発汗の2種類がある。

汗の成分は発汗の部位や個人差などにより異なるが、水分が98%以上で塩化ナトリウム、尿素のほか尿酸、乳酸、アミノ酸などの有機酸やアンモニア、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含んでいる。

これら、汗に含まれる主要な成分は水溶性であるため、付着後、早い段階で水洗い処理などを行うことによって除去することができる。

■ 事故の防止対策

汗汚れはできる限り除去すること。

汗汚れの付着が考えられる製品が持ち込まれた場合には、受付の段階で利用者に着用頻度や着用状況などを確認し、水洗い処理での汗成分の状況が望ましいことを伝え、処理を勧めることがクレームの防止を図る上で有効な手段と考えられる。

ただし、水洗い処理を行う場合、収縮や色の変化、風合いの変化など、可能性として考えられる問題については事前に説明し、了承を得ておくことが必要となる。

また、水洗い処理が困難な製品には、染み抜きやスチームスポッターによる処理などで対応することになるが、完全な状況は難しいことを説明するようにしたい。

※[クリーニングニュース]より引用

夏物衣料には、クリーニングされる時に汗を含む衣類が多く、汗汚れを除去しないとこうしたケースが多くでます。

クリーニング受付時、既に変色しているものも見かけます。

また、汗汚れを除去していない衣類には『ゴアゴア』になっているものもあります。

夏物衣料を仕舞う際の受付時『クリーニング大野屋』では、必ず『汗抜きクリーニング』などをオススメしています！