クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

天然皮革は、ブランドロゴが入ったパッチや肘当て、衿裏などに部分使いされていることがあります。

今回は、天然皮革からの色泣きを紹介します。

品名:ジャンパー

素材:本体:綿 台衿の後ろに茶色に染色した天然皮革を装飾として縫い付けている

取扱表示:ドライ石油系

処理方法:石油系溶剤によるドライクリーニング、自然乾燥、仕上げなし

■ 衣類の状態

台衿の後に部分使いしている茶色の天然皮革から染料が溶け出し、周辺の生地を汚染(=色泣き)している。

■ 原因

表示を参照して、石油系ドライクリーニングを行ったところ、天然皮革の染料が不堅ろうであったため、染料が溶け出して周辺の生地を汚染したもの。

取扱い表示では、水洗いを禁止して、石油系溶剤でのドライクリーニングを可としているが、染色状態をチェックした結果では、水と石油系溶剤のいずれに対しても堅ろう性がなく、染料が溶出することが確認できる。

■ 事故の防止対策

メーカーは、染色不堅ろうな天然皮革の使用を避けること。

クリーニングにおける対応として、染色した天然皮革を組み合わせた製品については、水洗い、ドライクリーニングのいずれかにおいても染料が溶け出すことを前提に、使用する洗剤や溶剤に対する染色の堅ろう度をチェックする。

堅ろう性に問題がある場合には、利用者にその旨を伝え、処理を断るなど適正に対応すること。

※[クリーニングニュース]より引用

同じ様なトラブルは、弊社でも経験があります。

一流ブランドのパンツのウエスト周りに、天然皮革が使用されていおり、取扱い絵表示は『ドライ石油系』でした。

その通りクリーニングしたのですが、色泣きしました。

すぐに、そのブランドメーカーに問い合わせたところ、最初は「こちらには問題がない」と主張されました。

堅ろう度にも問題がないという事でしたが、「『耐洗濯性』に問題があるのでは」と、私は主張しました。

堅ろう度は、生地そのものと耐洗濯性があり、違いがあります。

いろいろとやり取りをしましたが、最終的にはブランドメーカーが私の主張を認めました。

それ以降、一部皮革製品使用の品物は、クリーニング前にチェックして洗うようにしています。

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