クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で宅配クリーニング(布団・ジュータン・衣類)もしている『クリーニング大野屋』の政木です。

ポリウレタン樹脂は合成皮革やボンディング加工布、コーティング加工布などに使用されており、外観上は変化していないように見えても劣化が進行していることがあります。

品名:ブルゾン

素材:表地 ポリエステル100%、裏地 キュプラ、ポリエステル、中綿 ダウン95%、フェザー5%
取り扱い絵表示:ドライ石油系
処理方法:石油系溶剤によるドライクリーニング、タンブル乾燥

■ 衣類の状態

利用者から、全体各所が白く抜けたようになっているとのお申し出があったもの。
外観は、生地が透けたようになっている。外からは確認できないが、生地の裏側はポリウレタン樹脂でコーティングされている。

■ 原因

バックコーティングに使用されているポリウレタン樹脂が、長期の使用の間に空気中の水分などによる作用を受けることや、クリーニング処理の繰り返しなどで劣化したことにより、部分的に剥離したもの。

■ 事故の防止対策

ポリウレタン樹脂の経時的な劣化は避けることができないため、抜本的な防止策はない。
ポリウレタン樹脂は空気中の水分による加水分解などにより、通常2〜3年で劣化することが明らかになっており、クリーニング事故賠償基準ではコーティング品の平均使用年数を2年としている。

※[クリーニングニュース]より引用

合成皮革を含め、コーティングやボンディングなどのポリウレタン樹脂加工製品全般に対しては、次のような配慮が求められます。

・取り扱い表示などを参考に、洗える製品かどうかを確認する。
・汚れが付着しやすく、かつ、着用摩擦を受けやすい生地の折り返し部分、袖口、裾回り、衿回り、脇下などに異常がないかを確認する。
・べとつきなどの兆候があるものは剥離等の生じる可能性が強いため、クリーニングできないことを利用者に伝え、お断りすることが望ましい。
・製品を製造してから2年以上経過している場合には、購入の時期に関係なく劣化が進行しており、クリーニング処理で剥離等が生じる可能性のあることを利用者に伝える。

注)コーティング加工やボンディング加工に使用されているポリウレタン樹脂は、組成表示の対象になっていません。ただし、ポリウレタンを使用していることを示す表示がされている場合もあります。

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