クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

ワンピース(浮き糸が多いサテン地)、シルク100%、取扱い表示なし(タグはあるが記号の記載なし)

■ 事故の状態

クリーニングに出したら両袖付け根部分に波打ちが生じ、穴があいて返ってきたとの申し出があったもの。

クリーニング前の検品時に変化していることを確認していたが、お客様も了承していると思い、そのままクリーニングを行って返却している。

■ 原因

着用による無理な力が加わることで、織糸が移動する目寄れが生じたもの。

着用中などに局部的に無理な力が加わりやすい袖付け付近などに生じやすく、クリーニングすることでさらに拡大してしまうことがある。

※ 目寄れ・・・無理な力が加わることで織糸が移動する現象のこと。織糸がずれて生地が波打ったようになったり、織目が大きく開いて穴があいたように見えることがある。

● 目寄れと滑脱の違い

目寄れと同様に、織目が開いたような状態になる事故には『滑脱』がある。

滑脱は、縫い目部分に力が加わることで縫い目が開いたり、縫い代から織糸が引き抜ける現象。

目寄れと同様に、浮き糸の多い生地や密度の粗い生地、捻り(ひねり)の少ない糸を使った滑らかな生地などに生じやすいことは共通している。

■ 事故の防止対策

アパレルは、浮き糸の多い生地や密度の粗い生地などを使用する場合は、滑脱試験で滑脱抵抗力を確認し、必要に応じて取扱い等の注意表示を行うこと。

また、目寄れの発生しやすい素材の製品を企画する場合には、着用時のゆとり量を考慮する。

フィット性のあるものや切替えのあるデザインのものは、着用により変化しやすい特性があることについて理解を求めることも必要。

クリーニング業者は、持ち込まれた時点で目寄れが生じている場合、クリーニングによって拡大することがあるため、受付での検品を十分に行うこと。

※[クリーニングニュース]より引用

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