クリーニング大野屋の社長ブログ

衣料品の「取り扱い注意表示ガイド・専用的に使用される注意表示」では、麻製品のケア表示を次のようにしています。

(1)しわになりやすい性質があります。

(2)濃色品は着用中の摩擦や汗により色移りすることがあります。

(3)着用による摩擦やドライクリーニング、洗濯などの繰り返しで、白化、毛羽立ち、部分的な脱色がおこることがあります。

[一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会作成・衣料品の「取り扱い注意表示ガイド」から抜粋]

麻繊維は、天然繊維の中で熱の伝導性が最も大きく、製品に「シャリ感」、「ハリ」、「通気性」があるため、肌に「接触冷感」や「涼感」を与えてくれます。

さらに、水分の吸湿・発散が早いため、汗ばんでも肌にべとつかず、早く乾くことから、夏物衣料の素材として好まれています。

しかし、風合いや色調など微妙な変化が、クレームになりやすい傾向があるため、注意が必要な素材です。

着用やクリーニングを繰り返すことにより、新しいときのシャリ感やハリ感が失われてしまうため、利用者への説明も必要です。

では、お客様に、どのように説明するか以下の通りです。

①この素材はしわになりやすい性質があります。

麻繊維は伸びの回復率が低いため、変形すると元に戻りにくく、しわになりやすい特性があります。

染色した時の発色性がよく、織物の表面に絹のような光沢があることも、しわの陰影を目立たせる原因になります。

②濃色品は、着用中の汗により色移りすることがあります。

③着用による摩擦や、ドライクリーニング・洗濯などの繰り返しで、白化、毛羽立ち、部分的な脱色がおこることがあります。

麻繊維は白度が強く、染色した時に染料が繊維の表層に高密度で集積するため、表面上は発色がよいという利点はありますが、繊維の内部までは染料が浸透しにくく、完全には染まりにくい性質を持っています。

そのため、摩擦などを受けると毛羽立ちやフィブリル化が生じ、繊維の内部が表に現れます。

また、他の繊維と混紡、交織等をした場合も、麻の特性であるシャリ感やハリなどを保持する反面、着用などの摩擦による損傷もあります。

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