クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で即日仕上の布団クリーニングができる『クリーニング大野屋』の政木です。

《 染料による薄色化》

■ 事故の状態

ワイシャツの衿とカフスの表側、前身頃、後身頃など、プレス機の熱板が直接接触する部分の色が抜けたようになって薄色化している。

熱板からの熱の影響を受けにくい衿とカフスの裏側、袖、ポケット内側、前立ての内側、ボタンの下などには黄色の染料が残っている。

■ 原因

クリーニングでの濡れ掛けプレス処理の繰り返しによって、ポリエステルを染色している分散染料が徐々に昇華*したため、色が抜けたようになったもの。

*昇華⇒物体が固体から直接気体に変化する現象。

ポリエステルの染色では、高温・高圧下でポリエステル繊維の分子同士の結合を緩めて、分散染料を繊維内部に押し込んで染色する。

繊維内部に閉じ込められた分散染料は、通常の環境下で外に出ることはないが、プレスの熱によって繊維表面に移動して昇華する現象が発生する。

《 昇華した染料による着色汚染①》

・ 青のストライプ/綿50%、ポリエステル50%のワイシャツ

■ 事故の状態

衿や両袖前後上部、前後身頃上部の白色部分に青色の着色が生じている。

■ 原因

濡れ掛けプレス処理の熱で繊維表面に移動したポリエステルの青色分散染料が白地部分を汚染したもの。

《 昇華した染料による着色汚染②》

■ 事故の状態

紺色とピンク色の生地を組み合わせた作業服。ピンク色の生地全体が紺色に着色している。

■ 原因

スチームトンネルの熱で繊維表面に移動した紺色の分散染料がピンク色の生地を汚染したもの。

※[技術情報・11月号]より引用

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