クリーニング大野屋の社長ブログ

脆化とは、脆く(もろく)壊れやすくなること。

事故の状態

ニットと織物を組み合わせた黒色のカーディガン。

全体が破損しており、引っ張ると容易に破れる。

また、PH23の酸性イオンが検出される。

染料中には硫黄が含まれていることが確認できる。

原因

染料に使用した硫化染料の構成成分である硫黄が、時間の経過とともに酸化して硫酸を生成し、綿繊維を脆化させたもの。

事故の防止対策

染料自体の反応による現象のため、クリーニングでの防止策はない。

アパレルメーカーが硫化染料を使用しないことが抜本的な防止対策となる。

使用する場合には、製品のPHを弱アルカリ性に保つなどの処理を行うことが必要。

硫化染料製品への対応

一般に耐光や洗濯の堅牢度が優れることから、学生服や作業服の染色に多く使われていた。しかし、鮮明な色相がないことなどから、現在では黒以外の染料はほとんど使われなくなっている。

紺や黒などの濃色の染色品に脆化や破損が生じた場合、PH試験紙で34の酸性を示せば、硫化染料を使用している製品である可能性を考えてよい。

※[クリーニングニュス]より引用

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