クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

品名:紳士用ベスト
素材:ポリエステル50%、ナイロン50%
取扱い絵表示:手洗い30度、ドライ禁止、陰干し
処理方法:ウエットクリーニング、加熱静止乾燥、ボックス仕上げ
■ 衣類の状態
前身頃ファスナー付近などが茶色くなっているとお客様から申し出があった。
茶色くなっている部分は、接着繊維(フロック)が脱落し、接着樹脂および基布が露出した状態になっている。
■ 原因
確認はできないが、フロック加工に使われている接着樹脂の経時劣化などが原因となり、着用およびクリーニングの物理的な作用などによりフロックが脱落した可能性が推定される。
■ 事故の防止対策
フロック加工に使われている接着剤の劣化などが原因となるため、抜本的な防止対策はない。
フロック製品を受け付ける時には、ズボンであればウェストまわり、裾まわり、ポケット口、ファスナー付近、上着であれば衿端、袖口、肘、裾まわりなど、着用中に摩擦を受けやすい部分のフロックの状態を十分に点検すること。
さらに、利用者には接着剤の劣化などによりフロックが脱落する可能性のあることを説明し、了解を得た上で処理することが必要。
特に、購入後2年以上を経過している製品は、接着剤が劣化していることを前提にして対応することが望ましい。

★ フロック加工とは

接着剤(バインダー)を塗布した織物やニットの基布の表面に、短く切断した繊維(フロック)を静電気や機械的振動などを使って直立させた状態で植毛する加工のことで、基布・接着部分・フロック部分の3層構造になっている。

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