クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

モール糸は、特有の構造による外観と感触から秋冬物の衣料に使用されることの多い素材ですが、その構造からくる問題も抱えています。

今回は、モール糸のパイルが脱落した事例を紹介します。

品名:婦人用ジャケット
素材:綿50%、毛46%、レーヨン4%
取扱い絵表示:ドライマーク

■ 衣類の状態
クリーニングから戻ってきたら見頃や衿の一部の柄が違っているとの申し出があったもの。柄を構成しているモール糸のパイルが脱落して、芯糸が露出した状態になっている。主に表面に出ている部分のパイルが脱落し、衿の裏側やポケットフラップ下などに変化は見られない。

■ 原因
着用やクリーニング処理での物理的作用が原因でパイルが脱落したもの。着用摩擦でパイルが脱落しかけた状態のところにクリーニングの作用が加わりパイルが完全に脱落した可能性や、パイルの強度に問題があった可能性なども考えられる。

■ 事故の防止対策
モール糸の製造に関しては、摩擦などの物理的作用に対してパイルが抜けないように十分な強度を持たせることが望まれる。クリーニングの受付時には十分な点検を行うとともに、利用者にはパイルが脱落する可能性のあることを説明し、了解を得た上で処理することが必要。

※[クリーニングニュース]より引用

モール糸をクリーニングをする際は、裏返して目の細かなネットに入れ、機械的作業をできる限り抑えたソフト洗いと乾燥を行うことが必要となります。

着用の際、ベルトやバッグなどが長時間同じ所に当たっていると、毛が倒れたり抜けやすくなります。

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