クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

装飾用素材として用いられるスリット糸(ラメ糸)には、アルミニウムが使用されています。

今回は、アルミニウムの変化によりスリット糸の金属光沢が消失した事例を紹介します。

品名:婦人カーディガン

素材:ポリエステル85%、ナイロン15%全体にスリット糸を編み込んでいる

取扱い絵表示:ドライ石油系

処理方法:石油系溶剤によるドライクリーニング、タンブル乾燥

■ 衣類の状態
カーディガンの衿や後見頃などが白く脱色したような状態になっている。

■ 原因
空気中の水分や燃料が燃焼する際に発生する酸化窒素ガスなどが作用することにより、スリット糸に蒸着していたアルミニウムが変化して消失したもの。

■ 事故の防止対策
湿気の多い場所での保管や、燃焼により発生する酸化窒素ガスとの接触を避けるなどの注意が必要。ただし、日常生活を送る上で、空気中の水分や酸化窒素ガスなどの作用を完全に排除することが困難なため、抜本的な防止策はない。

■ スリット糸
スリット糸はポリエステルやナイロンのフィルムにアルミニウムを蒸着させ、細い糸状にしたもので、ラメ糸ともいう。
カクテルドレスやイブニングドレスなどの他、セーター、ブラウス、ジャケットなど一般的な衣料品の装飾素材として幅広く用いられている。

■ スリット糸使用製品の取扱い注意事項
スリット糸にはアルミニウムが使用されていることから、次のような注意を要する。
・アルミニウムが酸とアルカリの両方に弱いため、酸性、アルカリ性の薬剤などが作用しないように注意する。
・水洗いする場合は、中性洗剤を使用する。
・水分にも弱いため、湿気の多い環境での保管を避ける。

☆☆☆白物のウール製品に残留している硫黄分がアルミニウムに作用することがあるため、白物のウール製品と接触しないよう注意する。
☆☆☆受付時には、汗汚れなどがアルミニウムに作用することで変化する可能性があることを、利用者に理解してもらう。

※[クリー二ングニュース]より引用

ラメ製品の取扱いには、十分な注意が必要です。

また、ラメ糸は『サビ取り剤』が付着しただけで消失します。

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