クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

ハーフコートでフード部分や袖先などに毛皮を使用している。

素材は表地ポリエステル100%、毛皮部分ラビット取り扱い絵表示はドライ石油系。

■ 事故の状態

ハーフコートのフードなどに使用されている毛皮の毛先部分が緑色に変化している。

毛の根元部分はうす茶色で、これが元の色味と考えられる。

利用者が保管後に着用しようとしたところ、変色に気付き持ち込まれたもの。

■ 原因

保管の際、太陽光や蛍光灯に含まれる紫外線の作用により染料が分解し、変色したもの。

衣料に使用されている染料は、光(主に紫外線)を吸収すると、光によるエネルギーで染料分子が分解する。

また、光のエネルギーが周囲の酸素分子を活性化させ、それが染料を分解することもある。

これらが原因となって変色が生じる。

■ 事故の防止対策

紫外線による色の変色のほとんどは、利用者側での保管中に生じている可能性が高い

しかし、利用者はこうした現象を理解していないために色の変化の原因がクリーニング処理にあるものと思い込み、結果的にクリーニング店に苦情を持ち込むものと考えられる。

特に、長期保管の可能性がある衣料品を返却する際には、直射日光や蛍光灯の光などができるだけ当たらないよう注意することなどのアドバイスが利用者への啓発になる。

黒や紺などの濃色品は変化が目立ちやすい。

また、クリーニングによって汚れが除去されることにより変化が明瞭になることがあるため、受付時および洗浄前のチェックが重要になる。

預かり品の保管では、紫外線を含まない照明を使用することが望ましい。

なお、衣料品販売店の店頭陳列時の照明によって、購入した時点で既に変色している可能性もあるので注意したい。

■ 紫外線による変色の特徴

紫外線による変色には特有の形態があり、光の当たる部分が変色する一方で、光が遮られて陰になる部分は変色しない。

また、変色している部分としていない部分の境目が明瞭になるのが特徴である。

※[クリーニングニュース]より引用

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