クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で即日仕上の布団クリーニングができる『クリーニング大野屋』の政木です。

■ 事故の状態

スカート(綿98%、ポリウレタン2%のパイル織物、ドライマーク)の前側、腰付近の両脇部分でパイルが横方向の筋状に脱落し、基布が露出している。

利用者がクリーニングから返却された後に確認したところ、パイルが消失していることに気づき、申し出があったもの。いつの時点で生じたものかは分からない。

■ 原因

着用により繰り返される物理的な作用でパイルが脱落したものと推定され、クリーニングにより拡大した可能性が考えられる。

■ 事故の防止対策

パイル織物の製造に関しては、摩擦などの物理的作用に対して十分な強度を持たせることが望まれる。

クリーニングでの受付時には、裾まわりやズボンの膝裏、ポケット口、上着では衿周りや衿先、袖口など着用で摩擦を受けやすい部分のパイルの状態を十分に点検する。

それと共に、利用者にはクリーニング処理によりパイルが脱落する可能性のあることを説明し、了解を得た上で処理することが望まれる。

■ ベロア

元々は、紡毛織物の表面を毛羽立たせたベロア仕上げのこと。

このベロア仕上げに似せたベロア調素材が作られ、今ではどちらもベロアと呼ばれている。

ベロア調素材には、次のようなものがある。

  • パイル織物・・・たて糸やよこ糸で布地の片面にパイルを作り、それをカットして毛羽を立たせたもの
  • パイル編物・・・パイル編のパイルをカットして毛羽を立たせたもの
  • フロック加工布・・・織物、編物の上に接着剤を塗布し、毛羽を電気的に植毛したもの

今回の事故品に使われているベロア調素材は、よこ糸でパイルを作るよこパイル織物に該当、たて方向にうねが出来るのが特徴で、カジュアル衣料に使われることが多い。

一方、ドレスやコート、装飾品などに使われるベルベットは、たてパイル織物の代表で、素材は絹、ポリエステル、レーヨン、綿など光沢が強いのが特徴。

※[クリーニングニュース]より引用

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