クリーニング大野屋の社長ブログ

事故の状態

ハーフコートの右前身頃や左袖を中心に、濃色になっている。

また、濃色部分はしめったようになり、べとつき感がある。

原因

ボンディング加工に使った接着樹脂が、着用による汗や空気中の水分などの作用を受けて経時劣化したところに、石油系ドライクリーニングを行ったため樹脂がしみ出したもの。

ボンディング加工

布と布を貼り合わせる加工法。

表側と裏側の生地に異なった生地を貼り合わせることで、表や裏を異なる色や生地構造にできる。

事故の防止対策

ボンディング加工に使用される接着剤の経時劣化は避けることができず、クリーニング処理での抜本的な防止対策はない。

ボンディング加工の生地を使用していると推測できる場合は、表示を参照してクリーニング処理を行っても、劣化が生じていると剥離や樹脂のしみ出しが発生する可能性があることなどを利用者に事前に説明し、了承を得ることが望ましい。

また、預かる際には購入時期なども確認することです。

返却時に異常がなかった場合でも、通常の保管状態で劣化が生じる可能性があることを利用者に伝え、ボンディング加工の特性を理解してもらうことも有効な対策となる。

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