クリーニング大野屋の社長ブログ

衣服と静電気の関係〜PART2 2018年1月19日(金)

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

冬に静電気を発生させ易い理由

では、静電気は何故、夏場はあまり起きず冬になるとよく起きるのでしょうか。
実は実際には夏場でも静電気は起きていますが、感じることはありません。
理由は2つあり、気候の影響と衣服の着用状態に原因があります。
● 乾燥のし過ぎ
具体的に気候の影響とは、冬になると湿度が低く乾燥します。
つまり、空気が乾燥し静電気が物質に溜まり易い状況になってしまっているのが原因です。
夏のように湿度が高いと、空気中の水分が高く物体の吸着水分量も高くなります。
すると、静電気はそうした水分を通って緩やかに放電されます。
つまり、冬は乾燥し水分が不足していることから、放電されず物体に静電気が溜まってしまうのです。
● 様々な繊維品を重ね着し過ぎ
またもう一つの原因が、冬になると様々な素材の衣服を重ね着する機会が多くなります。
夏であれば、綿のTシャツや麻素材のシャツなど素材も1、2種類ぐらいで済みましたが、冬になると合成繊維も加わり、比較的様々な素材を着る機会が明らかに多くなります。
更にそれら衣服を重ね着するということは、摩擦を多く発生させることになります。
そのようなことから、多種の素材を重ね着して、摩擦を発生させることが冬に起きやすい原因のもう一つの理由です。

☆事例・・・ポリエステルのシャツと羊毛のセーター

● セーターの状態
羊毛のセーターがポリエステルのシャツと擦れると、セーターの方のマイナス電子がポリエステルのシャツに移動します。
すると、セーターの中にはマイナスの電気が少なくなり、全体として電気はプラスになります(←プラスに帯電)。
● シャツの状態
逆にポリエステルのシャツは、マイナスの電気が多くなるので、全体として電気はマイナスになります(←マイナスに帯電)。
● 静電気の放電
プラスの電気とマイナスの電気にはお互い引きつけあう性質があります。
プラスに帯電した羊毛のセーターとマイナスに帯電したポリエステルのシャツの間にある小さな空気を電子が飛びセーターとシャツに溜まった静電気が放電され(←火花放電)、パチッという音と共に刺激を感じることがあります。
※[東京都クリーニング生活衛生同業組合HP]より引用
静電気がプラスに帯電するか、マイナスに帯電するかは擦り合わせる物体の組み合わせに左右されます。
繊維の組み合わせによって、静電気が発生するのです。
〜続く

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