クリーニング大野屋の社長ブログ

綿繊維の特性と色の変化① 2017年10月29日(日)

広島で即日仕上の布団クリーニングができる『クリーニング大野屋』の政木です。

【 綿繊維の特徴】

衣料用素材としての綿繊維には、次のような特徴があります。

① 肌触りが良い : 柔らかく、適度の弾力性があり、繊維の先端が丸みをおびているため麻のようにチクチク感がない。

また、吸湿性と吸水性があり、吸収した水分を容易に発散するため、蒸し暑い季節にも適している。

② 涼しく温かい : 水分を吸収発散するときに気化熱を奪って温度を下げることに加えて、織・編組織により通気性のよい布帛(ふはく)*を作るような工夫をすることで涼しい素材にすることができる。

一方、綿繊維の中空構造(ルメーン)*と天然の撚りを利用して空気を十分に含ませることができるため保湿性の高い布帛を作ることもできる。

*布帛・・・織物。きれじ。

中空構造(ルメーン)・・・綿繊維は、第2次細胞膜はらせん構造になっており、ルメーンと呼ばれる中空構造になっている。

③ 安全で衛生的 : 肌に対する刺激が少ない、静電気が発生しないため、ほこりやごみを静電気的に吸着することがない。

熱に対する安定性に優れるため熱湯消毒が可能で清潔に保つことができるなど、安全で衛生的な繊維といえる。

④ 洗濯で収縮やしわが発生する : 洗濯によって収縮やしわが発生したり、洗濯の繰り返しで硬くなる、などの欠点もある。

【 綿繊維の特性】

上記に記した衣料素材としての特徴は、綿繊維の次のような特性によるものです。

① 熱伝導度(熱の伝えやすさ) : 他の繊維に比べ熱伝導度が大きいために熱を伝えやすい、吸湿性に優れている、水分が飛散する時に蒸発潜熱で温度が低下するなどの特性がある。

② 摩擦帯電序列(静電気の発生) : 帯電は物と物を擦り合わせたり、引き離したときなどに電気を帯びる現象で摩擦帯電序列*は帯電のしやすさを示したもの。

綿は、人の皮膚と帯電序列が接近しているため帯電現象はほとんど発生しない。

③ 乾湿時の強度と伸度 : 綿と麻は、乾燥時よりも湿潤時の強度が高く、羊毛、絹、再生セルロールと合成繊維などは、強度が変わらないか、もしくは湿潤時の強度が低い。

一方、伸度は一般的に、湿潤時のほうが若干高くなる。

* 各種物質の摩擦帯電序列

プラス≪ 羊毛 ナイロン 絹 ビスコースレーヨン 人の皮膚 ガラス繊維 綿 ダクロン(ポリエステル) アクリル ポリエステル ≫マイナス

(羊毛がプラス最上位でマイナス最上位がポリエステルです)

※[技術情報]より引用

綿繊維は、よく使用されています。

あまり使わない言葉が出てきましたが、クリーニング業界では繊維についての理解が必要です。

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