クリーニング大野屋の社長ブログ

広島で丁寧な仕上の衣類クリーニングをしている『クリーニング大野屋』の政木です。

一時期は姿を消していた加工が最近復活したようで、クリーニング事故が連続で発生したようです。

商品は綿素材のブラウスやスカートなどで、デザインとして様々な形が透けて見えるように樹脂プリントされている『塩縮加工』などと表現された『リップル加工製品』のドライクリーニングによる樹脂への汚染事故が連続したとのこと。

リップル加工は綿素材などに透明の樹脂をプリントすることで、プリント部分の生地が透けて見えるようになる加工です。

シワ加工も同時に行われている(塩縮加工)場合が多く、洗濯の方法は『水洗い不可』『石油系ドライ』を指定したものが多いようです。

しかし、リップル加工に用いられている透明の樹脂は、石油系ドライ溶剤によって表面が軟化し粘着性を持つようになり、ドライ溶剤に溶け出した被洗物の汚れや色素を吸着し着色することとなります。

そして、この樹脂への吸着は樹脂を完全に溶解させない限り除去できませんし、現実的にこの樹脂を完全に溶解させることができる安全な溶剤は見当たりません。

また、樹脂を完全に溶解させることができたとしても、透明な透け感は喪失することになるでしょう。

このような製品がクリーニングに出された場合に、クリーニング業者には製品の状態を把握し、適切な洗濯方法を選択する義務があり、アパレルには新JIS表示を使用している場合であれば、表示者責任が発生し、双方に責任が発生することとなるでしょう。

しかし、ウエットクリーニングを選択しておけば、樹脂の軟化に伴う色素や汚れの吸着は発生しません。

クリーニング業者の目利きと説明力によって、消費者に対する信頼を獲得することも可能となります。

※[全ドラ・わかりやすい現場の基礎知識/桑野氏]より引用

『リップル加工製品』が「 オバケ」と呼ばれていたことを思い出しました。

また商品化されてきたようですが、厄介な商品でアパレルメーカーの表示ミスなどが無いことを祈ります。

『塩縮加工』『リップル加工」』の記載があるものは、受付時に注意が必要です。

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