クリーニング大野屋の社長ブログ

■『VOL.3』で書いたように、金属繊維を使った凸凹加工のイタリアブランドの、ちょっと変わったダウンジャケットです。生地に強い張りと弾力があり、表面に凸凹があります。

タンブル乾燥したら、全体に白っぽいムラになったように見え、タテ方向の筋が見られました。また、表面の感触は、部分的にザラツキのある抵抗感を感じるようになってしまいました。。

洗浄・乾燥時の回転作用や、乾燥熱による金属の延伸現象などによって、金属繊維が変形したものです。この様な製品の場合、回転洗浄や加熱乾燥によって、同様に事故が発生する危険性があります。

■キルティングにポリウレタン弾性糸を使用した、フランス有名ブランドのダウンジャケットが、不規則に収縮して変形しました。

生地はナイロン織物ですが、キルティングの糸はポリウレタン弾性糸。従来、キルティングにポリウレタン弾性糸を使うことはありません。

織生地であれば、弾性糸も他の糸に支えられ安定しますが、キルティングの場合、その伸縮が直接生地の形状に現れやすいからです。

伸び縮みするポリウレタン弾性糸は、製品化の際、ヒートセットという過熱工程によって一定サイズに安定するように加工されますが、このヒートセット温度が不適切な場合、乾燥や仕上げの熱によって収縮することがあります。

それにしても、キルティングに弾性糸を使うことは、乾燥や過熱仕上げに大きな収縮のリスクを伴うと言えます。

※[全ドラ・一刀独断トラブル事件簿]より引用

以上のようなトラブルを防止する為、弊社では色々な情報を集め、その製品をケアしています。

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